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三宅島クルージング

平成27年8月11日(火曜)~8月14日(金曜)

8月11日 12:30 ベイサイドマリーナ出港         11日天気図

 台風14号が八丈島の東にある。勢力が弱く北東に進路を変えたので、三宅島に向け出港する。とは言っても関東海域南部には、海上暴風警報と波浪注意報が出ている。黄海には、台風13号から変わった熱帯低気圧もあるので要注意である。

 台風に吹き込む北東寄りの風を受け、浦賀水道南端を順調に抜けたが、台風の勢力が弱いせいか鋸南町沖で風が止む。16:30仕方なくエンジン始動。洲崎を手前にして日没を迎え、台風の余波と房総半島南端の強い潮流が複雑な海面模様を呈している。時々波高が気象庁予報部の発表のとおり大きなものもある。風がないので船の揺れが安定せず常に足腰の筋肉が緊張している状態である。裏風を受けメインセールが頻繁にバッシーと音を立てる。このような状況は光達距離18.5海里の洲崎灯台の灯光が光芒と化し、且つ、消え去るまでの未明まで続く。

 今夜は月齢26.1で新月も近く、雲の切れ間から見える星の輝きも若干増している様だ。この房総半島南端空域は航空航路に当たり、東や西へ向かう多くの航空機の灯火が視認できる。丁度30年前の8月12日に、クルージングで停泊していた波浮の港から見た御巣鷹山に墜落したと思われる航空機を思い出す。その時、ふと空を見上げると、まだ暮れなずむ上空を低空で北西方向へ飛行する機体を見つけ、不思議な感覚に捉えられたのを今でも強く思い出す。その後、暫くしてラジオから流れる「消息が途絶えた」との報道を聞き、さっき見た航空機と確信する。しかし、その航空機が墜落した123便なのか裏付けが取れている訳では無いが。

8月12日

 暁の頃には海面も穏やかになり、東の方が白み太陽が水平線から顔を出すと、三宅島も視認できた。若干のうねりは残っているものの台風の影響も次第に遠のくので、天候が安定し、熱い日になりそうである。

 三宅島に近づくにつれ火山島であることを再認識する。噴煙が幾つか立ち昇っていたり、溶岩が流れたと思われるザックリとえぐれた斜面も見える。海の透明度やその青さは黒潮の海域ならではのものだろう。波打ち際の黒い巨大な溶岩に打ち寄せる大波が一瞬、ウルトラマリンブルーの輝きを放つ...

 09:00 阿古入港
 既に4~5隻のヨットと巨大なパワーボートも停泊している。当船は、漁協に近い一番奥の岸壁にサイド着けする。今日は大潮に近く、舫の調整に注意が必要である。着岸後、ガソリンや氷の補給をする。ガソリンは、沖山商店(04994-5-0043)で配達してくるれ。氷は三宅島漁協で4貫目800円で購入した。水も自由に使える。トイレも和式だが、水洗トイレが漁協脇にある。食事と風呂は港から見えるホテル海楽で済ませた。今回は使用しなかったが、この海楽にはランドリーも料金を払えば使用できそうである。他に日常品が揃っているスーパーもあり、当該港には長期滞在も可能な施設が揃っている。また、係船料を徴収されることもなく、ただ、港の管理者が持参した用紙に船名等を記載すれば良い。良い港である。但し、今日はただただ熱く、日が落ちるまで我慢の一言である。


8月13日
 05:30 阿古出港                13日天気図

 台風13号から変わった低気圧が前線を伴い通過中である。どんよりとした雲に覆われ、雨もありそうである。日が差さない分、暑さは無い。風は思ったより無く、恐らく上空を通過する纏まった雲の影響を受け、一定しないものと思う。但し、雷も鳴っているので、ストームジブと1ポイントリーフの覚悟はしておく必要がある。

 やはりめまぐるしく天候は変わり、凪有り、強風有り、晴れ間が出たり、デッキに打ち付けるような雨が降ったり。お陰で、リーフやその解除とデッキワークの忙しい日だった。当初、旨いキンメを食いに下田に行く予定で出港したものの、クローズで荒れ気味の海面を帆走する事のキツサを考え、大島の元町港へ向う事にする。結局、南西の風が強まり、西に開けている元町港も敬遠し、波浮へ14:30入港

 この港には何度来たことだろうか。入港後、民宿波浮屋でシャワーだけ料金300円で利用させてもらい、鵜飼商店で、コロッケとハムカツを買い、夕食のおかずとする。明日が大潮だが、1日前にして満潮と高潮が重なり、漁協前は岸壁を越えて海水が打ち寄せている。温暖化の影響もあるのかもしれない。

 南西の風はその後も収まらず、夜間に更に強さを増してゴーゴーと音を立て、明け方には、スターンから流していたアンカーが走錨しているのを発見。もう少し発見が遅れればバウが岸壁にぶつかっていた。当港はアンカーの効きが良くない印象がある。また、漁船や作業船の打ちっ放しのアンカーやそのロープが海底に多くあるので、揚描の際、引っかける事が良くある。今回も他船のロープを絡め、引き上げるのに一苦労をした。

8月14日 06:30 波浮出港

 日が変わり朝になっても風の強さは変わらずで、ストームジブと2ポイントリーフで出港する。波浮を出港して数時間は、かなりの風の強さを比較的感じる事が多い。恐らく巨大な大島特有の地形が影響しているのだろう。


 今日もリーフやその解除とデッキワークの忙しい日だったが、順調に距離を稼ぎ、保田へ入港する選択肢もあったものの、一気にベイサイドへ向う事が出来た。ちまちました航海ではなく、ある程度豪快に外洋を走れたクルージングであった。
 
 ベイサイドマリーナ16:00入港 クルージングビデオ