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19世紀、アメリカの捕鯨帆船に積まれていた 捕鯨ボート (1/16.SCALE) をほぼ4ヵ月掛けて作成した。工程等は下記の通り。
アメリカのニューベッドフォードで使用されていた伝統的な クリンカー外板 (日本財団リンク)の頑丈で軽い6人乗りの捕鯨ボートは、銛で捕らえられた鯨が果てるまで何マイルも引きずられることは日常で、時には母船に戻るのに数日かかることもあったらしく、常に飲料水、食料、タバコ、帆布等が積まれていた。
18世紀から19世紀にかけての約100年間、燈油・ 潤滑油・蝋燭等の原料として、捕鯨はアメリカの一大産業であったが、19世紀後半には石油の出現もあり、緩やかに衰退して行った。
19世紀前半迄アメリカの捕鯨業を担った港は ナンタケット であったが、乱獲で、年々クジラが取れずに一航海が数年に及び船の大型化も必要から喫水も深くなり、浅い港のナンタケット島から、アメリカ捕鯨の中心地はニューイングランドの
ニューベッドフォード やその付近に移って行ったようである。
小説「白鯨」の舞台はナンタケットである。その捕鯨帆船ピークオット号が、船首に打つ波の飛沫がデッキやリギンへ即座に着氷する寒風吹きすさぶクリスマスの日に、ナンタケット を出航するのである。それは数年に及ぶ壮大なドラマの始まりであり、運命の日本沖漁場(モービーディックを追って)へ向かうことになる..
ピークオット号の1等航海士は、船長エイハブ(悪)とは対照的に実直な人柄のスターバック(善)であるが、善は悪に敗北する.. 因みにシアトルで開業したかの有名なコーヒーチェーンの店名は、その1等航海士が由来とされる。
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作製状況 |
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R6.12.16 |
ミスでクリンカー外板を再貼り付け中.. 既に一ケ月半経過 |
R6.12.22 |
難関のクリンカー外板も張り終え、型抜きは案外スムースだった |
R6.12.27 |
今後スウォート(漕座)等.. ボート内艤装にも取り掛かる |
R7.1.2 |
今年中の完成を目指すが.. |
R7.1.6 |
正月、作業に没頭 |
R7.1.11 |
マストを漕座に固定する部品は添付の真鍮板で作製せず、革とロープ で工夫した |
R7.1.16 |
舵の取り付け にまる二日を要した
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R7.1.25 |
作り直しの帆布、完成! 四隅にはクリングル、周縁にボルトロープ縫付け |
R7.1.26 |
帆布に革の マスト・フープ を5ケ所取付 |
R7.1.31 |
キャロットオレンジの船体、リギンは仮止め.. 今後、櫂や銛等の備品を積み込む |
R7.2.4 |
銛や長柄の肉切り等を作製中 |
R7.2.6 |
斧やナイフ、投銛後鯨の勢いをそぐ樽等作製、残すは櫂のみ |
R7.2.7
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帆船模型に比して動索や静索等のリギン部分は少なく、その作製は経験を基に自己流 |
R7.2.12 |
どうしても「ジブ・スル」が張りたくなった |
R7.2.16 |
櫂作製、メン・スルに リーフ・バンド を付けるか思案中 |
R7.2.18 |
未完だが、UPしておく
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R7.2.22 |
メン・スルのリーフ・ポイントにリーフ・バンドとリーフ・クリングルを結索 |
R7.2.24 |
母船で解体するまでしとめ鯨に打ち込んでおく目印用のフラッグなど作製 |
R7.2.25 |
完成! 艇寸法 ⋆全長約55㎝(8.8m) ⋆全幅約10.7㎝(1.7m) |